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PCみたいにマルチウィンドウ化できるAndroidタブレット「NEC T1195/BAS」を使ってみた

Hothotレビュー

2021年4月16日 09:50

LAVIE T11シリーズ「T1195/BAS」

 Chromebookの勢いに押され、なんとなく存在感が薄くなってきているAndroidタブレット。しかし、3月にNECパーソナルコンピュータからLAVIE T11シリーズの本格派Androidタブレット「T1195/BAS」(以降、T1195)が登場した。

 Androidアプリ対応を謳いながらも、実際には利用できないアプリも多いChromebookに対して、Androidタブレットはよりスマートフォンに近く、アプリの対応範囲も広い。筆者個人としてはAndroidタブレットのラインナップが増えるのはうれしいかぎりなのだが、T1195はどんな使い勝手なのだろうか。

11.5型大画面・高解像度で、ゲーム向きチップセットを搭載

【表】T1195/BASのおもなスペック
CPUSnapdragon 730G(8コア、2.2GHz)
GPUAdreno 618
メモリ6GB
ストレ-ジ128GB
ディスプレイ有機EL、11.5型、2,560×1,600ドット
OSAndroid 10
インターフェイスUSB 3.0 Type-C
カメラ前面800万画素(顔認証対応)、背面1,300万画素
バッテリー稼働時間約15.6時間(Web閲覧時)
サイズ264.3×171.4×5.8mm(幅×奥行き×高さ)
重量約485g

 T11シリーズのタブレットは、このほかにT1175などもあり、T1195はその上位機種としてディスプレイやチップセット、メモリ容量など多くの部分を1段グレードアップさせたモデルだ。初期OSはAndroid 10となる。

薄さ5.8mm、約485gのAndroid 10タブレット

 5.8mm、約485gの薄型・軽量ながらも堅牢さを感じさせる金属筐体で、ディスプレイは11.5型の有機EL。解像度は2,560×1,600ドット、アスペクト比は16:10になる。チップセットは2.2GHzのオクタコアCPUとAdreno 618 GPUの組み合わせであるミドルクラスのSnapdragon 730Gだ。

写真、動画も美しく表示する2,560×1,600ドットの有機ELディスプレイ

 Snapdragon 730Gは同730のグラフィック性能などを強化したSKUで、ゲームにも向いたチップセットとなる。メモリは比較的大容量の6GB、ストレージは128GB。最大256GBのmicroSDXCカードにより外部ストレージを強化できるため、写真や動画の撮影にもあまり心配はなさそうだ。

microSDXC対応カードスロットを搭載

 無線LANはWi-Fi 5(IEEE 802.11ac)で、Wi-Fi 6やWANには対応しない。チップセットの仕様を考えると対応できなくはないだけに、あちこちに持ち運んで使いたいユーザーにとっては少し残念なところだろうか。

 それでも8,400mAh容量のバッテリ稼働時間は約15.6時間(Web閲覧時)と長い。実際に動画を連続再生したときの稼働時間も、画面輝度が50%の状態で約12時間55分となり、これなら仕事も遊びも1日中持ち運びながら充電なしでこなせそうだ。

データ転送との兼用となるUSB 3.0のType-Cポートで充電する

顔認証にも対応する4つのカメラと、高音質なJBLサウンド

 カメラは背面カメラと前面カメラにそれぞれ2つずつ装備している。背面カメラは広角(約500万画素)と標準的な視野角(約1,300万画素)のものを、前面カメラは約800万画素の撮影用と顔認証用のIRカメラがある。

背面カメラは標準画角用と広角用の2つ前面カメラも2つあり、撮影用と顔認証用となる

 背面カメラの画質をチェックしてみよう。下記のサンプルを見るとわかるように、標準視野角のカメラはキリッと引き締まった温かみのある色味をしている。一方で広角カメラのほうはたしかに視野角は広がっているものの、精細さがなくなり、色味としてもやや青みがかっていたりと不自然さが残る。

 標準視野角のカメラであれば普段使いもできそうだが、広角はダイナミックレンジの狭い印象もあり、最新のスマートフォンのような画質は期待しないほうが良さそうだ。

背面カメラ 標準視野角のサンプル1背面カメラ 広角のサンプル1背面カメラ 標準視野角のサンプル2背面カメラ 広角のサンプル2

 ZoomでWeb会議も試してみた。前面カメラの解像感はあまり高くないものの、内蔵マイクの音質は良好で、後述するオプションのキーボードを叩いても不快に感じるほどのノイズにはならなかった。Zoom側で自動的にノイズを抑制している可能性はあるが、チャットやWeb会議をこなす程度なら問題ない画質・音質だろう。

ZoomアプリによるWeb会議時の画質(PC側でキャプチャ)

 端末のロック解除には、前面カメラによる顔認証に加えて、電源ボタンと一体化した指紋センサーも搭載する。Androidタブレットとしては、セキュリティ面はかなり充実した装備と言えそうだ。ビジネスユースに向いたタブレットを探している人には、こうしたセキュリティの高さはポイントの1つになるかもしれない。

指紋センサーは本体の電源ボタンと一体化している

PCみたいにマルチウィンドウ化できるAndroidタブレット「NEC T1195/BAS」を使ってみた

 もう1つ、下位モデルとのハードウェア的な違いとしては、内蔵ステレオスピーカーがJBL製であること。サウンドの臨場感を高めるDolby ATMOSに対応し、再生中のコンテンツに最適な音質に自動調整する機能も備え、動画・音楽配信サービスの音をクリアに再生する。

両側面にJBL製のステレオスピーカーを内蔵Doby ATMOSに対応し、再生中のコンテンツの種類に応じて自動で最適な音質に調整してくれる

 Dolby ATMOSオフ時は、アラームなどに適した、とにかく「聞こえるようにする」ためのサウンドという印象で、音楽を再生するとこもったような、音像もはっきりしない音。しかし、オンにすると定位のしっかり整った、透明感のあるサウンドが薄い筐体であるにもかかわらず響きわたる。

 低音は映画などではちょっと物足りないが、その場合はイヤフォン・ヘッドフォンを使いたい。ただし、イヤフォン端子はないため、Bluetoothを利用するか、USB Type-Cポートから音声出力する変換アダプタなどを用意しよう。

ノートPC並みのマルチタスク作業を可能にする「プロダクティビティモード」

 T1195でもっとも注目したい機能が「プロダクティビティモード」だ。これは、一言で言えば「PCのようなマルチウィンドウ化を可能にする独自機能」で、複数アプリの同時表示を可能にし、マルチタスクな作業をしやすくしてくれるもの。

T1195を仕事に使うときは「プロダクティビティモード」に

 アプリが個別にウィンドウ化して表示され、それらのウィンドウは自由に移動・サイズ変更(もしくは最大化、最小化も)できる。画面の端に寄せたときに自動で整列するWindows 10のスナップのような機能もある。

 OfficeアプリやWebブラウザ、メッセージアプリなど、タブレットに最適化されているアプリはおおよそ対応しているようだ。一部対応していないアプリについてもウィンドウ表示はされ、手動でサイズ変更できる(ただしアプリ画面のレイアウトは最適な表示にならないことがある)。

アプリが個別にウィンドウ化され、移動、サイズ変更ができる。各ウィンドウ右上のアイコンで最小化・最大化と、閉じるの操作も可能Windows 10のスナップのように、ウィンドウをきれいに整列する機能もある対応していないアプリは起動直後はスマートフォンのようなサイズ感で表示されるが、リサイズ、移動は可能

 このプロダクティビティモードは、オプションの専用カバー型キーボード「PC-T1195BAS用キーボード」などのハードウェアキーボードとセットで利用するときにもっとも効率良く使える。

 たとえば画面の半分に参考となるWebページを表示しながら、もう半分の画面では文字入力して資料を作成する、といった並行作業が、ほぼPCと同じ使い勝手で実現できるのだ。

オプションの専用カバー型キーボード「PC-T1195BAS用キーボード」キーボード部と背面カバー部とは別体になっている専用キーボードを接続すると自動でプロダクティビティモードに切り替わる画面左半分で資料作成、右半分にWebなどを表示しながらの作業は、ほぼPCと変わらない使い勝手

 ハードウェアキーボードを接続しているときはソフトウェアキーボードで画面が占有されることもないので、マルチウィンドウということもあって文字どおりプロダクティビティ(生産性)を発揮しやすい。

 ハードウェアキーボードなしでもプロダクティビティモードを使うことは可能だが、オンのときは横置き画面固定となり、文字入力時は画面の半分以上をソフトウェアキーボードが占めることになるため、かえって使いにくくなってしまうだろう。

プロダクティビティモード時にキーボードを接続しない(ソフトウェアキーボードを使う)と、アプリ画面の表示範囲が狭くなり、かえって作業効率は低くなる

 薄型・コンパクトな専用キーボードはマグネットで接着するタイプで、着脱は簡単。別体の背面側用のカバー型スタンドとセットになっており、こちらは無段階でディスプレイ(本体)の角度調整ができる。しっかり本体を保護してくれそうな頑丈さながら、厚みの増加を最小限に抑えており、持ち運びのしやすさにも影響はない。

本体背面側に取りつけるカバー型スタンド角度調整は無段階キーボード操作やタッチ操作それぞれに最適な角度で維持できる

 キータイプのフィーリングは、反発力が強く、思ったより強めに押し込んでいく感じ。文字キーのタイプ音は静粛性が高く、先述のとおりWeb会議中にタイプしていてもそれほど不快な音にはならないようだ。

 ただし、Enterキーだけがやや響きがちなのと、その周辺の記号キーのレイアウトが詰まり気味で慣れが必要なこと、ファンクションキーやFnキーがなく文字入力時に戸惑う、といったあたりはネックかもしれない。本体との一体感のあるデザインは魅力だが、長文作成を快適にしようと考えるならほかのBluetoothキーボードを使うのも選択肢の1つだ。

タイプ音は小さめだが、キーボードレイアウトとしてはやや窮屈な部分もある。ファンクションキーが使えず、文字入力で苦労することも

 さらにオプションでパッシブ方式のデジタイザペンも用意している。すばやく動かしたときに若干の遅延は感じるものの、ホワイトボードアプリなどに手書きしていくときのレスポンスは十分に許容範囲内。紙の書き心地とは異なるが、使い勝手としては申し分なし。

 無段階調整のカバー型スタンドとの併用では、わずかに角度をつけた手書きしやすい状態をキープしたりもできるので、じっくりお絵描きするときにも活躍してくれそうだ。

オプションのデジタイザペンペン軸はやや太め。しっくりくる重量感でスムーズな手書きが可能だ

3Dゲームもスムーズに動作。大画面、高音質で没入感はMAX

 SoCがゲーム向けのSnapdragon 730Gということもあり、リッチなグラフィックを多用したゲームも快適に遊べる。3DグラフィックのオンラインRPG「原神」やリズムゲームの「プロジェクトセカイ」などをプレーしてみたところでも、ラグや引っかかりを感じるようなところは一切なかった。

「原神」では戦闘時であってもコマ落ちを感じず、快適に動作した

 しかも11.5型の大画面ということもあって、グラフィック面での満足度は高い。どちらもサウンドの品質が高いゲームなので、Dolby ATMOSを有効にしたときのJBLスピーカーの実力を体感できる。

 手の大きさによっては、11.5型はリズムゲームには不向きと感じる人もいるかもしれないが、やや手が大きめの筆者としては、没入感を最大化しつつ無理なくプレーできるギリギリのいいサイズに思えた。

リズムゲームだと画面が大きい分タップ範囲が広くなるが、没入感が高く、ギリギリいい感じに操作できる最大サイズかもしれない

 ただ、約485gという重量は11.5型であることを考えると軽量な部類に入るとは言え、同じ姿勢で持ち続けたときの重量感はそれなりのもの。長時間プレーするならスタンドで立てた状態にすると快適だ。そういう意味でも、オプションのカバー型スタンドをフル活用したいところだ。

ゲームプレー時はキーボードは取り付けず、背面のカバー型スタンドだけを使うのがおすすめ

実務用途なら別キーボードを組み合わせることも考えたい

 今回T1195をレビューするにあたり、この原稿をT1195上で、Microsoft Wordを使って執筆してみた。タスク切り替えなしに、1画面内に原稿と資料などを並べながら作業できるプロダクティビティモードは、まさしくPCのようで、作業効率は格段に上がる。しかし、とくにキーボードの使い勝手の面では、慣れだけではいかんともしがたいと感じるところもあった。

 それは裏を返すと、キーボードを自分好みのものに変えさえすれば、日常の業務用途には問題なく使えるということでもある。メディアファイルを多用するような作業は当然ながら荷が重いが、Officeドキュメントの編集のような事務仕事程度なら難なくこなせるだろう。そして仕事が終わったあとは、いつもはスマートフォンで見ている動画や電子書籍を11.5型の大画面で堪能できるのだ。

 通常のノートPCやChromebookよりさらに上の身軽さを活かして、ビジネスとプライベートの両方をシームレスにカバーしてくれるのはAndroidタブレットならでは。これに追随して、実用性や趣味性の高いAndroidタブレットが他メーカーからもどんどん現れてほしいと願うばかりだ。

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