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ディープな韓国を地方でたっぷり味わう。青陽、扶余、公州をめぐる三国志百済旅(その5) 百済の人々が見た風景と伝統×最新韓屋を体験 - トラベル Watch

古墳の内部へ潜って入場、技術力とロマンに酔いしれる

 プレスツアーの最後に訪れた公州市は、広さは940km2で人口約13万人。ソウルからバスなどで2時間ほど。475年に百済の文周王が現在のソウル(漢城)から公州(熊津)に遷都し64年間、都が置かれた場所だ。ユネスコ世界遺産登録がされた「公山城」や「宋山里古墳群」など百済文化を語る際に欠かせないエリアとなっている。

 公州市を訪れたならば「宋山里古墳群」は必ず足を運んでおきたい名所の一つ。百済時代の王と王妃の墓があり、武寧王墳のほか1~6号墳の合計7つの古墳を見ることができる。古墳群へ行く前にまずは「宋山里古墳群模型館」で構造や埋葬品について学習しよう。

 日本語も説明ボードに記載されているので安心だ。ここでは5号墳と6号墳、そして武寧王の内部を再現した模型に入ることができ、技術力の高さや、そのこだわりを間近に感じることができる。各古墳は入り口も小さく、羨道では腰をかがめないと入れないほど。しかし、玄室に入ると途端に空間が広がり、その落ち着いた雰囲気に驚く。

エントランスを抜け、まずは「宋山里古墳群模型館」へ5号墳は横穴式石室墳。あとで入れるように羨道(通路)がある内部は白い石灰が模様のように見える

 割石が積まれたドーム型の横穴式石室墳の5号墳は中に入ると壁の白い部分が目立つ。これは石と石を付けるために石灰を使っているからだ。夫婦が合葬できるよう通路があるのが特徴だ。続いて6号墳へ。韓国内に2つしかないレンガ墳で、石室の壁には四神図と呼ばれる青龍、白虎、朱雀、玄武が描かれている。また、レンガには当時のお金の五銖銭の模様がつけてあるので細かい部分まで見てみよう。

レンガ墳の6号墳。内部は夫婦ではなく1人が埋葬されていたようだ壁にはお金をイメージした模様が並ぶ。油さしなどもある。四神図にも注目

 そして、唯一埋葬者が分かっている百済25代王・武寧王陵の模型へ。長方形型の磚築墳で発見当時は盗掘されておらず108種類、4600点が出土。玄室の大きさは長さが4.2m、幅2.7m、高さ3.1mとかなり大きめ。羨道も長さが2.9mあり、棺が安置される場所は一歩上がり、玄関のようにもなっている。

 内部は縁起のよい数字である28種類のレンガを使い、天井、壁、床が石灰で防水加工が施してある。レンガをよく見ると中方、急使などの文字が刻まれ配置される場所がわかるようになっているのも面白い。蓮の模様がレンガにびっしりと刻まれ美しさも格別。

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 別室には、発見当時の状態を再現しており、王の墓を守る鎮墓獣や埋葬された王の身分証である墓誌石や南枕であったことなどがわかるようになっている。なお、一緒に埋葬されていた王妃の親知らずと思われる歯も1本発見され、解析により30代程度の年齢であったことが分かっている。

武寧王陵は5号墳、6号墳に比べると羨道からして大きめ内部はレンガ造り。灯龕があり、ランプで内部を照らしていたとみられる壁には蓮華文が刻まれている。また、中方などの場所を示す文字も発見当時の様子を再現しているエリアも。発見された遺物は「国立公州博物館」に展示されている

 古墳の構造などを学んだあとはいよいよ「宋山里古墳群」へ。1997年までは実際に入ることができたが、現在は保存のため内部は立ち入りができない。外からその大きさを見ることはできる。模型館から徒歩5分ほどの山あいに現れる古墳群の雄大さは格別。5号墳、6号墳を守る山だと思われていた後ろの山が実は武寧王陵という話もロマンがある。

坂を登ると5号墳、6号墳、そして武寧王陵が現れる。奥にも4カ所古墳がある武寧王陵は現在、保存のため一般公開はされていない公州市を一望できるなど散策コースとしてもいい
宋山里古墳群

所在地:公州市王陵路37-2TEL:+82(0)41-856-3151(武寧王陵観光案内所)入園料:大人:1500ウォン(約150円、1ウォン=約0.1円換算)、青少年1000ウォン(約100円)開園時間:9時~18時

 美しい埋葬品や出土品の数々は、「宋山里古墳群」から徒歩5分の「国立公州博物館」で鑑賞することができる。2016年12月4日まで企画展「武寧」で国宝が一堂に介した。模型館にて埋葬品の種類や配置などを一通り頭に入れておくとより楽しむことができる。

 見所はやはり国宝に指定された装飾品たち。王の「金製冠飾」は冠帽の左右か前後に付けられる装飾品。解説をしてくれた92歳のファン先生は「純度99パーセントの金で作られており、260個以上の円形瓔珞が施され、動くたびに音が鳴る工夫も。勝利や豊かさを象徴する花々や炎をモチーフにした造形の可憐さも注目してほしい」と語ってくれた。王妃の「金製冠飾」も展示されていたが、こちらはいたってシンプル。しかし気品があふれ、百済の栄華が感じられる装飾品だ。

「金製冠飾」(王)は蓮華をモチーフとしたパルメットが美しい「金製冠飾」(王妃)はシンプルな中に気品を感じる展示台が王はブルーと王妃はレッドで色分けがされているので、どちらのものかが分かりやすい

 武寧王陵に使用されていた実際のレンガや鎮墓獣、墓誌石の展示も見逃せない。蓮華文や中方が刻まれている壁側のレンガの長さや、鎮墓獣の大きさや表情の愛らしさはもちろん、墓誌石に刻まれた文章までがはっきりと見ることができ、時間旅行をしているような感覚に。

 また、日本と百済との関係が感じられる木棺も再現されたものを展示。日本の南部地方に自生する“高野槇”で作成されており、博物館の入り口にも植栽されているので見ておこう。なお、発掘された当時の配置で埋葬品が展示されているブースもあるので、たっぷり時間をかけて展示物を目に焼き付けてみては。

ぽってりとしたフォルムが可愛らしいが、盗掘されずに墓を守り抜いた優秀な鎮墓獣いつ武寧王が亡くなり、埋葬されたのかが刻まれた墓誌石古墳を形作るレンガを展示。文字や蓮華文が刻まれており、長さも相当だ灯龕に置かれていたランプ発掘された状態を再現。王がブルー。王妃がレッド高野槇で再現された日本との関係を示す木棺も中央にあった国宝の「金製耳飾」や「多利作」銘銀製龍文釧ファン先生に解説を担当してもらった。発掘品の詳細から、日本と百済の当時の仲のよさを含め熱く語ってくれた武寧王にまつわる品々の特別展示「国立公州博物館」外観。先生が見送ってくれた。入り口の脇に高野槇がすくすくと育っている
国立公州博物館

所在地:公州市観光団地路34(熊津洞360)TEL:+82(0)41-850-6300入館料:無料開館時間:9時~18時(火~金曜日)、9時~19時(土、日、祝日)、月曜日休館Webサイト:国立公州博物館

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