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【仕事の裏側】データサイエンティスト・フェリックスさん「世の中の役に立つ能力を持っている人はそれを活かす責任がある」

気になる”あの仕事”に就く人に、仕事の裏側について聞く連載企画。第6回のゲストは、不動産のAI査定サービス「HowMa」を提供するコラビットでデータサイエンティストとして働くフェリックスさん。最近よく耳にするようになった「データサイエンティスト」とは。

データサイエンティストとは?

データサイエンティストとは、ビッグデータから必要な情報を収集・抽出・分析し、ビジネスにおける課題解決の施策立案などを行う職種のこと。

「一口にデータサイエンティストといっても幅広い仕事があります。画像処理の専門家や、文章を自動作成するような言語処理の専門家もいれば、LINE上で会話ができる女子高生AI『りんな』の開発なんかもデータサイエンティストの仕事です。

私の今の仕事は不動産のAI査定サービス「HowMa」の価格推定です。ユーザーがサイト上で必要な情報を入力すると、その不動産に対する適切な価格を予測します。例えば最寄駅や駅からの距離、物件の面積など、それぞれにパラメーターと呼ばれる計算式を設定して、物件の価格を自動計算するのですが、その計算式が実際の適切な価格と一致するように設定するのが仕事です」

この計算式を立てるのに、まずは「予測モデル」を作る。

「予測モデルを作るのには順番があります。まずは元データとなる情報の収集。次にウェブスクレイピングといって、必要な情報だけを抽出し、自社のデータベースに紐付けます。この時点ではまだ重複データなどが残っているのでさらに情報を整理し、一つの綺麗なデータにまとめます。このように、データを活用できる状態まで加工する工程がなかなか複雑なんです。このデータを予測モデルに“学習”させて、計算式の元データを作ります。

だけど現実にはデータだけでは説明できないこともあります。

例えば、一般的には駅に近い物件の方が価格が高くなりますが、駅から少し離れていても、周りに大きなショッピングモールや公園等があれば駅近より高いことが多々あります。ショッピングモールや公園といったデータがないと計算式に加味できないので、駅遠物件が駅近物件より高くならないような工夫をしています」

仕事の軸は「世の中の役に立つ」こと。退職し、一からデータサイエンティストを目指す道へ

前職はゲーム会社でマーケティング関連の仕事をしていたフェリックスさん。30歳を超えたタイミングでキャリアについて考えた末、世の中のトレンドと自身の興味を考慮し、データサイエンティストを目指して一から勉強を始めた。

【仕事の裏側】データサイエンティスト・フェリックスさん「世の中の役に立つ能力を持っている人はそれを活かす責任がある」

「退職後は1年間仕事を休み、データサイエンティストになるための勉強をしました。独学でしたが今はオンラインで海外の授業を受けられたりするので、学ぶための環境はたくさんありました。新しいことを学ぶのは元々好きなので勉強は楽しかったです」

1年間の独学を経て就職活動に挑んだものの、再就職はスムーズではなかった。

「データサイエンティストは未経験には門戸が狭く、経験がないだけで選考に進めない会社もたくさんありました。休職期間中、将来のことを考えて不動産投資に関心を持ち、不動産投資とAIを掛け合わせたサービスを探していたところ、たまたま今のHowMaのサービスに出会いました。ちょうど人材を募集しているタイミングだったので応募したところ、運よく就職が決まったんです。

この分野は日々技術の進歩があり、コンピューター性能の発達により10年前では考えられないほどの進化を遂げています。その中で自分も常に前進しないといけないというプレッシャーもありますが、それがかえって自分のモチベーションにもなっている面も。この世界は奥が深いので全てを学ぶことは難しいですが、自分の好きなことや専門性を高めることを中心に、仕事しながら勉強も続けています。データの扱い方に加えて業界自体の高い理解も必要なため、不動産業界の勉強もしています」

自分の能力を生かし、人を幸せにする仕事

「今の仕事は難しいことも多いですが、世の中の役に立つ実感が大きいので楽しいです。ハードな仕事ですが、その分報酬もきちんと返ってきます。報酬は自分の仕事への評価と、専門性の高い知識を身に付けるための時間と労力、教育コストの投資へのリターンだと思っています」

フェリックスさんが「世の中の役に立つ」ことを大事にしているのは何故なのか。

「私には『世の中の役に立つ能力を持つ人は、それを活かす責任がある』というポリシーがあります。生まれた国や環境によって、努力では超えられない制約を受けてしまう人もいる中で、自分は何不自由なく生きることができています。世の中に生かされている以上、自分の力を世の中に還元したいと考えています。

今私が働いているコラビットという会社には、『イノベーションで社会問題を解決し続ける』という企業理念があります。その中のHowMaというサービスでは、データを活用した価格推定により、家を売る人も買う人も安心して不動産売買できるようになることを目指しています。公平な価格で取引されることでみんなが幸せになり、より良い世の中になっていく。まさに私の理念とする、世の中の役に立つ仕事です。私としては不動産売買する人全てにこのサービスを使って欲しいと思っています。

今の仕事は楽しく、不動産業界にも興味があるのですが、今後はデータサイエンティストとして新しい分野で挑戦することにも関心があります。

私にとってはお金よりもやりがいや楽しさが大事なので、不動産投資で生活の基盤は確保しつつ、自分が好きな仕事をして社会にも貢献ができれば良いですね。世の中の働き方がどんどん多様化しているので、自分も挑戦を続けていきたいです」

取材協力

株式会社コラビットフェリックスさんhttps://collab-it.net/

取材・文 / Kikka

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